コミュニケーションが馬なら手綱を引くのは……

おはようございます。稲垣陽子です。

夏休みが終わり、今日から多くの学校はスタートでしょうか。

今年のお盆は、秋に出版予定の原稿の締め切りがあり、
ほぼパソコンとにらめっこの「引きこもり生活」でした。

そうすると圧倒的に人と会話することが減りました。
家族など、ごくわずかな人とだけしか会話をしないのが3日近くありました。

3日でもほぼ身内とだけのコミュニケーションを取っていると、

自分のコミュニケーションがとてもパターン化されていることに気づきます。

言葉は行き交っているけれど、そこでのノリとか、間合いとか、
なんか、同じパターンなんです。

「今日も暑いね」
「35度だって」
「いや~異常気象だよね」
この会話は、10回以上は繰り返した記憶が。

「宿題やった?」
「やったのはやった」
「夏休み中に終わらせなさいよ!」
この会話も昨日まで10回以上は言いました……。

慣れたノリ、会話のパターンは安心感を生みだします。
無自覚ですが相手の出方がわかっているので、
笑うポイントも、イラっとくるポイントも予定調和。

会話が無自覚ですけど、予想できるのです。

でも、学校とか社会とか、コミュニティーとかに出ると
予想外のコミュニケーションが始まります。

「今日も暑いね」
「そうなんだ、昨日まで北海道にいたから分からない」
とか返されたりします。

そう来たら、もう天気の話どころではありません。

「へぇー北海道に行ってたんだね。北海道のどこに行ってたの?」
と話題を変えて質問したりと、自分のパターンを
壊してコミュニケーションをスタートさせなければなりません。

でも、これが、引きこもりが長いと
ちょっと苦痛になる。

自分のパターンを壊すのに時間がかかるし、
相手のパターンに合わせていく感覚がなかなか発動しなかったりします。

その時はどうしたらいいのでしょうか。

多くの人が何を話そう、と頭がフル稼働します。

気の利いた相づちは何かな、次の話題はどうしよう、
頭はくるくると回ります。

でも、ここで稼働して欲しいのは頭ではありません。
心です。感情です。

コミュニケーションが馬だとしたら、
手綱を引いているのは「感情」です。

人は、目の前の人とコミュニケーションを交わしながら、

次、何を話すか、どんな受け答えをするかは「感情」にたくさん左右されます。

相手の話を聞きながら「怖い」「冷たい」と感じていれば、

言いたいことが思いついても黙ってしまい何も言えなくなります。

「焦り」や「不安」を感じれば、思ってもないことを口走って場を白けさせてしまうかもしれません。

「喜び」が高ければ、つい不必要な一言で相手を不機嫌にさせることもあるでしょう。

このように、私たちのコミュニケーションは感情に大きく影響されています。

そんな重要な要素のある「感情」ですが、
多くの人はコミュニケーションをとっている時に
自分が今何を感じているのか、
どんな感情があるか、
ほとんど感情には気づいていません。

それくらい何を話そうと忙しく動いている「頭」に気を取られています。

そこで、自分の慣れたパターンではない
コミュニケーションに遭遇した時は、
まずは、すぐに喋ろうとはせず自分の
「感情」に意識を向けてみましょう。

そして、できるだけその感情を素直に言葉にしてみましょう。

「北海道」と聞いて、いいなーと「妬み」「嫉妬」という感情が出た人は、
「北海道か・・・いいなぁ・・羨ましいなぁ」と素直に言ってみます。

自分はどこにも行けなかったと「寂しさ」や「後悔」が出たら、
「私はどこにも行かなかった・・行けばよかったな」と言えばいいのです。

そんな話をして、相手を不快にさせないの?と思うかもしれません。
大丈夫です。
その後、自分の話に持っていかなければ!

なので、その次の会話は必ず質問してください

単純な質問で構いません。
「北海道はどうだった?」って。

「●●はどうでしたか?」「何が楽しかった?」
など、これらは、相手の話を促す質問になります。

えー、じゃ、わざわざ感情なんか伝えずに、
質問すればいいじゃん、と思う人もいるかもしれません。

でも、心を置いたまま相手に話を合わせることだけをしていると、
コミュニケションは「疲れ」ます。
質問もどこか上滑りになります。

それに対して、自分の感情をオープンにすると、
不思議と相手もオープンになります。

「北海道に行ったんだけどさ、実は生ものに当たっちゃって・・」
なんていうドジな話が聞けたりするかもしれません。

心が通ったと実感できるコミュニケーションがあればあるほど、
自分のパターンを超えてでも、
また人と関わりたいって思うようになると、私は思います。

あ、ちなみに「怒り」が出る人がいます。
「怒り」は素直に表現していいことはあまりありません。

怒りは二次感情と言われます。
元々は別のネガティブな感情が、怒りに変わっていくのです。
なので、怒りの下にある感情を表現するようにしましょう。

怒りで相手を攻撃したくなるくらい「寂しい」
「悔しい」感情を言葉にしてみます。
これはまた別の機会にお伝えしますね。

では、気持ち良く9月がスタートできますように。

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