真の共創リーダー

616726_26242974当社の研修では、リーダーに対して、「共創力」という言葉を紹介しています。

共創力は、共に創る力と書きますので、相手と共に何かを創り上げていくことができる力ということですが、
本物のリーダーは、自分で共創ができるだけではなく、部下がその力を発揮できるように、部下の共創力を引き出せる人も少数ですが存在します。

ある会社のA部署にA課長さんがいました。
ある時、大きなプロジェクトを任されたので、B部署に応援を頼みました。そのプロジェクトはとてもうまく行って大成功を収めました。

しかし、頼んだB部署の社員たちが、頼まれて行ったのに、何の感謝もないと言い出します。
そして誰も私たちに明確な指示を出してくれなかった、失礼だとも。

A課長としては、会社の社運を賭けたプロジェクトであり、A部署の者を総動員しても足らない状態だったこともあり、会社全体の事なので、B部署の応援を頼んでも当然のことだと思っていました。

しかしながら、そう言われる自分自身の配慮の足りなさに反省し、B部署に謝りに行きます。

そうすると、B部署のB課長に、部下からは、あの時にもっと明確に仕切って欲しかったと言われたことや、指示もしないで何だと言われたりしました。
A課長は、いやそんなことはない、うちのA部署の者が指示している光景は自分は見たぞと言いたくなったり・・・。

後味がしっくりしない、険悪なムードとなってしまいました。

その状態を聞きつけた社長が、その場にやってきました。

普通なら、第3者である社長は、感謝しない人が悪いとか、頼まれる方も、もう少し寛容の心を持てとか、そういうさばきを行うことが多いと思います。

しかし、その社長のさばきは違いました。
互いの話を聞いて、

「ああ、そうか、ごめんな。普段から僕の感謝が足りなかったんだね」と言いだしました。

そして、普段から口にはしているのですが、改めて感謝の言葉を言い始めた。
A部署にはこういうことで感謝している、ありがとう。
B課長には普段はこういうことで助かっているよ、ありがとう。

この社長の言葉で、二人の課長が「はっ」とし、互いに悪い部分をつつき合っていた行動に気づき、一気に協力する姿勢に変化したのでした。

ここに、私たちの考える「共創」という言葉の本質があります。

共創力とはスキルに落とせますが、最終的には、在り方だと思います。

どういう在り方かというと、他人も自分だと思える在り方のこと。
この組織で起こっていることはまさに自分自身の中にもあると思えること。
自分も組織の一員なのです。

組織の問題は少なからず自分もその要因になり得ていることが多い。
それを加味したうえで、自分自身が変わっていこうとするリーダーの姿勢が組織を変えて行くのだと思います。

自分自身が変わることを決めたリーダーが真のリーダーになり、他に影響を与えていく人になるのだと私たちは考えています。

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